上越には人魚塚という場所があります。
この地は元々住吉神社があり、この神社の常夜灯を舞台にした悲しい恋のお話が伝説として残っています。
しかし!この伝説には「人魚」は一切出てこないですし、元々は人魚塚ではなく、比翼塚と呼ばれていました。
不思議ですねぇ~。
人魚伝説
先ほども申しましたが、人魚は一切出てきません。
海から現れる不思議な女性を人魚と呼んだのか、または、最期の姿が打ち上げられた人魚のようだったのか、どのような理由かわかりませんが、いつの間にやら人魚塚と呼ばれるようになったようです。
ーあらすじー
若い男が母と2人で暮らしており、親同士が決めた許嫁がおりました。
しかし、毎夜佐渡からこの神社の常夜灯を目印に海を渡ってくる美しい女性と恋仲になりました。
女性は毎朝夜が明ける頃に寂しそうに佐渡に帰っていくのです。
ある晩、母から「1日くらいは許嫁と過ごしても良いのではないか?」としつこく言われ、常夜灯を灯すことなく家で過ごしました。
翌朝男は地元の漁師が騒いでいるのを聞きつけ、見に行ってみると、そこには佐渡の女性の遺体がありました。
女性の顔は恨みが籠っていたと言います。それを見た男は「悪いことをした」と悔い、海に身を投げたのです。
村人は同情し、2人の遺体をこの常夜灯のそばに埋葬して、比翼塚と呼びました。いつしか人魚塚と呼ばれるようになったのです。
人魚塚と呼ばれるようになったのも謎とロマンですが、比翼塚と呼んだのも男女が寄り添いながら生きる姿を比翼の鳥に重ねたのでしょうか?
それもまた悲しいお話を少しでもロマンティックなものにしてくれていますよね。
人魚塚の景色
人魚塚からは海が臨め、伝説の常夜灯が残されています。
鵜の浜人魚像
ちなみに、よく夕日とシルエットが印象的な鵜の浜の写真に使わるる人魚像はこの人魚伝説の碑から約600m西に進んだところにありますので、併せて行ってみては?
小川未明氏の赤い蝋燭と人魚
この話と人魚塚と呼ばれている事をモチーフに童話作家の小川未明氏が「赤い蝋燭と人魚」を書かれたと言われています。
こちらも悲しいお話なのですが、これをモチーフにした人魚像もあり、直江津の船見公園に赤い蝋燭を持った人魚像があります。
こちらもまたいつか紹介しますね!